古屋圭司通信

月例経済報告08年7月号

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2008年07月17日

拝啓
 時下ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。いつも温かいご指導ご支援を頂きましてありがとうございます。
 7月の月例経済報告の基調判断は「景気回復は足踏み状態にあるが、このところ一部に弱い動きがみられる」と据え置かれています。企業の業況判断が下がり、さらには、その他の部門は横ばいではありますが「下方修正ギリギリの状況である」と政府の発言もあり、ますます厳しい状況となっています。月例経済報告
 先日発表された日銀の金融政策決定会合でも、景気の現状判断を「さらに減速」と下方修正し、原材料やエネルギー価格高騰に伴う物価高が消費を鈍らす結果となっていると厳しい指摘がなされています。このままだと、物価上昇と景気減速が併進するスタグフレーションを招き「負の循環」が強まりかねません。一刻も早く行なうべきことは、原油・資源高と世界経済の減速を克服し、経済成長維持のための「正の循環」を取り戻すことが不可欠です。
 第三次オイルショックのような様相を呈しています。どの国も影響を蒙っていますが、日本経済の停滞が世界的にみても顕著であると言わざるを得ない状況を考えると、今、大胆かつ緊急な政策対応をしていくべきだと考えます。
 今月中には、政府与党で原油高の追加対策を取りまとめることとしていますが、必要な財源を確保するためには、本年度予算の弾力的運営はもとより、度々指摘しているように補正予算の編成が必要です。心して今後取り組んで参りたいと思います。
 真保守政策研究会(古屋圭司副会長)の会長を務める中川昭一議員が「日本経済復活のための13の政策」を中央公論にて発表しました。詳細はご一読いただければと思いますが、積極的な経済政策を今こそ講じるべきであり、減税や財政出動を躊躇すべきではないと提案をしています。今後は真保守研究会でさらに議論を深めて、提案の実現を目指して参りたいと考えています。
 さて、教科書の学習指導要領の解説書で「竹島」が記述されたことに韓国が反発しているとの報道がメディアを賑わしています。詳細は、私のブログ(6月30日)をご覧いただきたいと思いますが、「竹島」は国際法上も歴史上も我が国の固有の領土であるというのが日本の公式見解なのです。国際司法裁判所での決着も厭わないのですが、韓国側はこの手続きを認めようとはしません。メディアは、韓国側のいわば病的ともいえる反対運動ばかりを強調しているのはいかがなものかと疑問を呈さざるを得ません。改めて認識させられるのは、外交交渉は友好関係を保つことは大切です。しかしその前提は、我が国の国益をしっかりと中心に据えていかなくてはならないということです。
 国益というと、WTOの閣僚会合がいよいよ大詰めを迎えています。ドーハラウンドという今回の交渉が始まったのは2001年ですが、当時と今とでは、食料需給の逼迫や食料価格の高騰など世界の食料事情が激変しているのです。今回のG8サミットでも首脳宣言にはっきりと示されたように、食料安全保障の確保が極めて重要なのです。たった39%という低い食料自給率に直面している我が国は、今こそ発想を転換して、食料の大半を海外に依存している現状から脱却し、自国の農業生産を基本として食料自給率を向上させるための抜本的改革が必要です。従って、今回のWTO交渉においては、食料安全保障に支障をきたさないような貿易ルールの確立を目指して、WTO交渉の場で不利な妥結をするくらいなら交渉決裂もやむなしとの固い信念で、堂々と強く主張していくべきです。
 今後とも、尚一層のご指導ご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
敬具

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