古屋圭司通信

 6月22日の本会議にて、今国会の12日間の延長が決定した。その結果、参議院選挙は当初予定されていた7月22日から一週間延期されて29日が投票日となった。投票日の延期は選挙管理の当事者だけではなく、国民の皆さんにも影響があることは否定できない。しかし、結論から申し上げて、この延長はやむを得ないと考えている。
 巷では、年金問題がほとぼりが冷めるまで待ったほうが得策だから、あえて延長したというような報道がなされているが、総理はなんとしてでも公務員制度改革関連法案をこの国会中に成立させることが、結果として国家国民の利益につながるとの信念から、異例ともいえる方針を採ることとなった。
 いわゆる年金問題については、当初は「5000万人分が消えた」とセンセーショナルな報道がなされたため、大変な混乱があった。しかし、徐々にではあるが、これは年金の政策論ではなくて、年金集計の事務手続きの問題であるとの認識がなされつつあると思う。この年金記録問題は与野党の政争の具にすべきものではない。政府・与党は時効撤廃や一年以内の名寄せ作業、第三者委員会設置、窓口・電話相談の充実、年金受給年齢を迎えている方々の優先的確認作業など当面とりうる対策を速やかに実施に移すことを決定している。
 この問題が3週間遅れて表面化したら、対策を講じる時間も無く参議院選挙に突入せざるを得なかったことを考えると、むしろ明らかになったことは、いかに社会保険庁が親方日の丸的かつスローモーな仕事をしてきたかがはっきりしたわけだし、社会保険庁を解体し、新たに非公務員型の組織を作るという今国会で成立を目指す法案の必要性がはっきりしてきたのではないか。公務員制度改革関連法案とも密接に連動しているものであり、いずれの法案もしっかりと成立させたうえで、参議院選挙に臨むことが結果として与党の責任を果たし、その評価がくだされるものと信じている。

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