去る4月18日に中央教育審議会から出された「教育基本計画について」の答申は、その内容を見るにつけて、果たしてこれを基に基本計画を作っても、抜本的な教育改革とはかけ離れたものになるのではないかとの強い懸念がある。参考までに、朝日新聞ならびに読売新聞の記事をご覧いただきたい。意見が異なることが多い読売と朝日が、同じ論調で報道していることには注目すべきだ。(右上:町村官房長官へ要請)
教育振興基本計画は、教育基本法の改正に伴い、今般初めて政府が今後の10年間を通じて目指すべき教育の姿を示すとともに、向こう5年間に総合的且つ計画的に取り組むべき施策を具体的に示すことが記されている。
即ち、我が国教育政策の中にあって初の基本計画であり、これが迫力不足なものになれば、教育再生を実現させることはお到底不可能だ。中央教育審議会や文部科学省は、財政当局の顔色を見ながら答申を書き上げていることが節々に見受けられるところであり、我々立法府に身を置き教育改革に取り組む議員としてとても容認できるものではない。
共著で出版した「サッチャー改革に学ぶ教育正常化への道」(PHP出版)で詳細を記したが、かつてイギリスはイギリス病のもと深刻な教育荒廃に直面したが、当時のサッチャー首相そして、政権が労働党のブレアーに変わってもその方針を変更することなく、予算も大幅に増額し徹底的な改革を行なった結果、公教育を立派に立て直したという事実がある。
これから夏までの閣議決定に向けて、教育基本計画の策定作業が始まることになる。我々は、決議のとおり、基本計画にこれらがしっかり盛り込まれるように関係者に強く働きかけていく決意である。道路特定財源は、来年度から一般財源化することを与党が正式に決定した。今後の議論の中で、その一部を教育にまわせば教育財源の確保を図ることも出来るし、また世論も支持していただけるのではないか。