古屋圭司通信

月例経済報告08年6月号

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2008年06月19日

拝啓
 時下益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。いつも温かいご指導ご支援を頂きましてありがとうございます。
 今月の基調判断は「景気回復は足踏み状態にあるが、このところ一部に弱い動きが見られる」です。堅調だったアジア向けの輸出や企業収益、生産活動などほとんどの分野で弱さがみられていることから、下方修正されています。さらに今年に入り、基調判断も3回下方修正がされており、警戒感が増している状況といえます。
 いつも慎重な表現をする政府の月例経済報告でさえも、このように下方修正を明確に打ち出していることは、原油高や穀物・飼料、食料の高騰など複合的要因による景気減速が深刻なものとなっていることの証ではないでしょうか。月例経済報告
 このような中で、来年度の経済・財政の基本方針を定める来年度予算ならびに政策の骨子となる「基本方針2008」(いわゆる骨太方針)が、今月末の策定を目指して議論が始まっています。自民党においても連日各会議で熱い議論が行なわれています。もちろん、無駄を徹底的に省くことは当然のことですが、歳出削減のみが全面に出てしまうのはいかがなものか。全体的なトーンも危機感が足りないことに加え、経済成長戦略への取り組みや地域活性化・地域再生、社会保障制度、教育、原油高騰対策など、重点的に取り組むべき項目を大幅修正すべきだと考えます。
 国会は、小幅延長を決定しています。その理由は去る5月22日に成立したASEANのEPA(経済連携協定)条約を憲法の規定に従って30日後に成立させるためです。アジアの経済発展そして日本の国益のために重要な条約ですが、残念ながら問責決議が参議院で可決した結果、野党は全く審議に応じないのでやむなく延長をしたわけです。
 しかし、宮城県の地震発生により、衆議院の災害対策特別委員会、また拉致問題特別委員会は開催することになりました。このようなちぐはぐな対応はいかがなものでしょう。ましてや、衆議院において内閣信任案を出し成立したことからも、一体なんのための問責決議案であったのでしょうか。
 さて、 メディアでも連日報道されていますが、先週の二日間、北京にて拉致問題に関し日朝実務責任者会議が開催されました。メディアでも連日報道されているように、北朝鮮は、従来からの「拉致は解決済み」との主張から、「再調査」と態度を変えました。しかし、だからといって安易に制裁解除をすることは極めて危険です。
 拉致議員連盟(古屋圭司事務局長)において、次のとおりの声明を発し、早速拉致担当大臣である町村官房長官を家族会の横田早紀江さんらとともに総理官邸に訪ね、申し入れを行ないました。町村長官からは北朝鮮とは行動対行動であり、拉致が解決するかあるいは明確な進展なき限り、制裁解除は行なわない旨の発言がありました。今後も国家テロである拉致問題については、毅然たる態度で臨んで参ります。
               対北朝鮮制裁緩和に関する声明
①  政府は具体的進展が確認できない限り、制裁の緩和は絶対に行わないこと。
②  政府はよど号犯人の帰国について、制裁緩和とは全く無関係である旨、明確
    にすること。
③  政府は具体的進展がない場合には、北朝鮮による従来からの引き延ばし、
    若しくは騙しであるので、直ちにより強固な制裁を行うこと。
④  政府は引き続き米国に対し、日米同盟に鑑み、拉致問題の具体的進展が明
    確とならない限り、テロ支援国家指定解除を行わないよう強く要請すること。
 今後とも、尚一層のご指導ご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
                                            敬具

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