古屋圭司通信

5月3日砂防会館にて、森本哲教授や百地章教授など保守の論壇を招いて13回目のフォーラムが開かれた。私は、国会議員を代表して挨拶をさせていただいた。連休中であるにもかかわらず、700名近い参加者で会場は埋まっていた。

私が行った冒頭挨拶は次の通り。

東日本大震災のお見舞いを述べたうえで、菅内閣の危機管理能力の欠如は国家を混乱に落としいれているが、一方では日本が非常事態に対し、明確に対処する仕組みを未だ持ちえおらず、国家の機能不全を国民に露呈したのが今回の災害だった。

民主党政権の間、普天間問題、尖閣問題、竹島問題など主権国家としての当然の対処が出来ないのは、民主党政権の対質だけではなく現行憲法にも問題がある。

「一旦緩急」の際の危機管理条項は西修教授(本日もご出席)調査によれば、1990年以降憲法が制定もしくは改正された国の100%で整備されている。

自民党は、立党時自主憲法制定により国家的課題を克服することを党是としたが、残念ながら政権維持が目的化し実現をみることは無かった。

その反省の上にたって、我々有志超党派議員で憲法96条にまとを絞って改正原案を国会に提出すべく取り組んでいる。

5月3日の産経新聞毎日新聞の記事

GHQによる、衆参両院の三分の二の賛成があって初めて国民投票に附すことができるという極めて高いハードルにより、憲法改正の鍵をマリアナ海溝に投げ捨てられてしまった。その鍵を拾い上げて鍵穴に差し組む仕事をしたい。

96条改正はこれまで何度も議論されているが、具体的な改正原案を提案するのは今回が初めて。

           憲法96条改正原案

その内容は、憲法改正条項の「三分の二」を「過半数」に緩和させること一点。

提案理由は「主権者である国民が、憲法改正の是非について主体的に参画する機会を提供する」の一点。

もちろん、この改正でも「硬性憲法」の性質は保たれることになる。

安倍内閣当時に成立した「国民投票法案」に基づき、衆議院で101名、参議院で51名の賛同者がいれば国会に提出できる。すでに、自民党では100人近い議員が賛同の署名をしている。また民主党においてもかなりの数の賛同を得ている。

衆議院に設置されている憲法審査会のメンバーを決定したり、参議院で設置に向けて、この改正原案の提出は、その背中を押すことになる。

そして、もし衆参両院で可決されれば、国民投票に向けて動き出すこととなる。

仮に国民投票に附される前に解散総選挙になっても憲法改正が選挙のテーマにある。

これは初めてのことだ。

国民投票のあとに選挙になれば、どのような憲法にすべきか主要テーマになる。各党が責任を持って提案することになるし、マスコミも現実的な責任が生じる。即ち、前文、安全保障、危機管理、国会や内閣のあり方、財政規律や地方自治、教育、権利と義務など広範な議論が展開されることを期待する。

現在の政党の枠組みでは、今後も推移することは無いだろう。

よって、政界再編の大儀として憲法改正がその役割を果たしていくべきだ。

その大きな契機が、この憲法96条改正原案である。

この歴史的役割を果たすために立法府に身を置く我々同志議員が決意を持って取り組む。

米国第三代大統領トーマス・ジェファーソンの言「人間の作品で完全なものは無い。だからこそ憲法改正という現実的手段が必要。」

インド初代首相ネルーの言「憲法を固定的なものにすれば、国家の成長や人々の成長も止めてしまう。」

この偉大な先人の見識を心に刻みながら実現にむけて取り組む。

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