古屋圭司通信

選挙権を18歳に引き下げたら

カテゴリー:憲法改正

2012年03月23日

3月22日の衆議院の憲法審査会の議題は、選挙権の18歳引き下げについてでした。

私は、次の指摘を文部科学省にさせていただきました。

 

高校3年生になると18歳の人と17歳の人が混在します。

97%の子供が高校に通っている現実の中では、高校は事実上義務教育の役割を担っており、また憲法についても授業で習います。

4月の時は18歳の高校生はほとんどおらず、高校3年生が卒業する頃は高校生全体の3割が18歳となり、有権者の割合は大きく変わってきます。

そのような中で国民投票が行われたとしたら、高校生の中で有権者と非有権者の問題意識の違いが明確にあらわれます。

この問題は、今後しっかり議論すべき課題であると指摘をしました。

 

現在、この18歳に引き下げる問題に対しては、法務省と総務省の間で意見が対立しています。

また、国民投票法附則3条には、18歳に引き下げるための必要な法制上の措置が国民投票までに取れない場合は、20歳以上の者が投票権を有すると記されています。

思春期の大事な時期で、憲法を学び、投票という責任ある行動、まさに大人としての大きな一歩を踏み出すとき、18歳という規定でその機会に差が出てしまうことは、大きな問題があるのではと思いませんか?

私は、18歳に投票権をさげることは慎重にすべきだと考えています。

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橋下大阪市長率いる大阪維新の会が「船中八策」を発表した。

この中で、憲法96条に言及している。

96条に規定する憲法改正の条件の一つである衆参国会議員のそれぞれ三分の二の賛成を過半数に緩和するというもの。

まさしく我々が「憲法96条改正を目指す議員連盟」を昨年立ち上げ、私がその代表として精力的に取り組んでいることと同じ考えだ。

議員連盟は既に超党派で250名を超える参加者を得ているが、これからもますます入会者が増えていくことを期待する。(詳細は、こちらを参照)

橋下氏が主張する首相公選制も参議院廃止も憲法改正が必要であり、橋下氏のツイッターをみると、まず96条から手をつけるべしと呟いている。

日本の閉塞感の根源には現行憲法問題に行き着くことは私が何度も指摘していることであり、橋下氏がこの96条を提案したことで世論も大きく前進することを期待する。

なお、自民党が本年4月28日に主権回復60年を契機に発表予定の新憲法案にもこの96条改正が含まれる予定だ。

現在、連日起草委員会にて議論しているが(全てまとまるまで、非公表で議論)、私もこの起草委員会メンバーとして主導的役割を果たしていきたい。

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憲法96条改正議員連盟総会を開催

カテゴリー:憲法改正

2011年12月19日

(議員連盟詳細については、こちら参照)

今回の総会は、鳩山由紀夫元総理を招いて、鳩山氏がかつて著した憲法改正についてその考えを聞いた。

鳩山氏によると、憲法改正の際には、統治機構については国会議員の過半数、普遍的原理については三分の二とする考え方を披露した。

鳩山氏をこの議員連盟に呼ぶこと自体がどうかとの意見があるが、民主党議員の参加メンバーを増やすための一環として役員会でも相談の上決定した。

自民党若手議員が、鳩山氏に面と向かって異論を唱えたので、それが一部新聞の囲み記事になってまったのは我々の意図が十分伝わらなかったのだろう

しかし、彼は後ほど私にお詫びの連絡をしてきた。このようなまっすぐな気持ちは若手議員の特権だ。私からは気にせずに自らの信念を持ち続けてほしいと激励した。

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前衆議院憲法調査会会長の中山太郎氏を参考人としてお招きして審議が始まった。

中山氏の憲法問題にかける心意気と配慮がしっかりと伝わる内容だった。

各党代表の意見表明のあとで自由討議となり、私は国民投票法が成立したあとで積み残しとなっていた18歳への投票引き下げに関する公職選挙法など他の法令との整合性、公務員の活動制限について、出来るだけ早くこの憲法審査会にて結論を出すべき。また、96条に規定されているもう一つの問題、即ち衆参国会議員の三分の二の規定を民主主義の原則に従い過半数に緩和する改正原案の提案について言及させていただいた。

すでに超党派にて議員連盟を設立して活動しているが(詳細はこちらを参照)、主権者である国民が改正の可否について主体的に国民投票を通じて参加する機会を増大させるのがその理由だ。

護憲論者であろうと改憲論者であろうと反対はできないはずだ。

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憲法96条に定める国民投票法が平成19年5月に成立し、平成22年5月に施行された。法律は憲法審査会を稼動させることが規定されていたが、今般正式に憲法審査会のメンバーを決定して、本日第一回目の憲法審査会を開催、メンバー決定などのセレモニーを行った。

私は、憲法審査会の委員として指名された。

国民投票法案には、衆議院にて100名以上の賛成者を得れば、改正原案を国会に提出できると規定している。

すでに超党派にて「憲法96条改正議員連盟」を立ち上げ、具体的な活動を始めている。

詳細はこちらを参照。

憲法調査会がスタートしたことにより、この改正原案の提出が可能になったことの意義は大きい。

「96条改正原案」の国会提出に向け、議員連盟の活動も強化しながらその実現を目指したい。

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21日(木)、憲法96条改正を目指す議員連盟の第2回総会を開催した。

今回は、元東京大学総長、現学習院大学教授でおられる佐々木毅先生をお招きした。

佐々木先生には、かつて衆議院の憲法調査会で参考人としてお越し頂いた経緯がある。

当時佐々木先生の意見表明で、「改正決議の現実的可能性が高まれば高まるほど各政党が緊張感を持って憲法問題に取り組まなければならない。改正現実の可能性がほとんどない中で憲法議論を繰り返すことは、マイナス効果を生まないとも限らない。また政治自体のよどみが長く続く原因にもなりかねない。よって政治と憲法の間によい緊張感をもつために、改正条項を緩和することが必要だ」と。今回もその趣旨を基本に憲法と政治のあり方など示唆に富む話をいたたいた。

憲法96条改正議連の参加議員は、日に日に増えている。

議連の名の通り、議連唯一の目的である、憲法96条の改正条項緩和を目指すため、超党派の同志で一致結束して取り組んでいく。

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昨日の7日、「憲法96条改正議員連盟」の設立総会を開催した。火曜日の種々行事が重なる昼に、100名を超える国会議員と代理出席で70名以上が出席して盛大に行われた。

96条改正についてはこちらを参照。

私は、自民党の代表に就任した。自民党においても既に120名を超える議員が入会している。

一方、民主党は小沢鋭仁議員が代表に就任した。また、それぞれ、たちあがれ日本、みんなの党、国民新党、無所属からも代表を選出した。公明党は個人での参加という形となった。

私は、自民党代表として次のような挨拶をさせて頂いた。

今の政治の混乱は、現内閣の迷走に問題があることは否定出来ないが、かつての自民党政権にも責任があったことを率直に認め、その上で「一旦緩急」の際の政治のダイナミズムを削いできたのは、究極的には憲法ではないだろうか。

この「機能不全」を克服するには、どうすればいいのか?

この疑問に対する答えが、今回の憲法96条改正原案である。

主権者である国民が、憲法改正の可否について、主体的に参画する機会、即ち国民投票に参画する機会を増大する。この一点に絞って、衆参「三分の二」の賛成を過半数に緩和する改正原案の国会提出を目指したい。

国民投票法の規定により、衆議院で101名以上、参議院で51名以上を確保すれば、この96条原案は国会に提出できる。

そして、衆参両院で憲法審査会を実質的に稼動させるための背中を押すことにもなる。

憲法改正の鍵が、深海に投げ捨てられてしまっている現状を見つめ、その鍵を拾い上げ鍵穴に差し込む作業が、この議連の役割である。

昭和22年5月に憲法が施行されて以来、実質的には初めての具体的な改正への動きであり、歴史的な一日であった。

インドの初代首相ネルーは、憲法を固定的なものにしてしまえば、国家の成長も人々の成長をも止めてしまう。との言い、あるいは名大統領とされるジェファソンアメリカ合衆国第三代大統領は、人間の作品で完全なものはない。それゆえ憲法改正という現実的な手立てをしておく必要がある。

いずれも、先人の立派な見識だと思う。

わが国の現状に目を向ければ、自民・民主の支持率をあわせても50%以下であり、政界再編による新しい政党の枠組みを望むのは40%以上。いずれも世論調査の共通点。将来も現行の政党の枠組みのまま行き続けることに多くの人が疑問を抱いている。その再編に重要な大儀として憲法改正がその役割を果たしていくべきで、その契機がこの96条改正だ。

私たち、立法府に身を置く議員として未来への責任を果たしていきたいと思う。

現時点での議連の入会者は200名を優に越えているが、まだ改正に必要な「三分の二」には達してない。

現行憲法の規定をクリアするために、皆様の協力を願う。

総会のあとには、ジャーナリストの桜井よしこさんの講演を行った。

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5月3日砂防会館にて、森本哲教授や百地章教授など保守の論壇を招いて13回目のフォーラムが開かれた。私は、国会議員を代表して挨拶をさせていただいた。連休中であるにもかかわらず、700名近い参加者で会場は埋まっていた。

私が行った冒頭挨拶は次の通り。

東日本大震災のお見舞いを述べたうえで、菅内閣の危機管理能力の欠如は国家を混乱に落としいれているが、一方では日本が非常事態に対し、明確に対処する仕組みを未だ持ちえおらず、国家の機能不全を国民に露呈したのが今回の災害だった。

民主党政権の間、普天間問題、尖閣問題、竹島問題など主権国家としての当然の対処が出来ないのは、民主党政権の対質だけではなく現行憲法にも問題がある。

「一旦緩急」の際の危機管理条項は西修教授(本日もご出席)調査によれば、1990年以降憲法が制定もしくは改正された国の100%で整備されている。

自民党は、立党時自主憲法制定により国家的課題を克服することを党是としたが、残念ながら政権維持が目的化し実現をみることは無かった。

その反省の上にたって、我々有志超党派議員で憲法96条にまとを絞って改正原案を国会に提出すべく取り組んでいる。

5月3日の産経新聞毎日新聞の記事

GHQによる、衆参両院の三分の二の賛成があって初めて国民投票に附すことができるという極めて高いハードルにより、憲法改正の鍵をマリアナ海溝に投げ捨てられてしまった。その鍵を拾い上げて鍵穴に差し組む仕事をしたい。

96条改正はこれまで何度も議論されているが、具体的な改正原案を提案するのは今回が初めて。

           憲法96条改正原案

その内容は、憲法改正条項の「三分の二」を「過半数」に緩和させること一点。

提案理由は「主権者である国民が、憲法改正の是非について主体的に参画する機会を提供する」の一点。

もちろん、この改正でも「硬性憲法」の性質は保たれることになる。

安倍内閣当時に成立した「国民投票法案」に基づき、衆議院で101名、参議院で51名の賛同者がいれば国会に提出できる。すでに、自民党では100人近い議員が賛同の署名をしている。また民主党においてもかなりの数の賛同を得ている。

衆議院に設置されている憲法審査会のメンバーを決定したり、参議院で設置に向けて、この改正原案の提出は、その背中を押すことになる。

そして、もし衆参両院で可決されれば、国民投票に向けて動き出すこととなる。

仮に国民投票に附される前に解散総選挙になっても憲法改正が選挙のテーマにある。

これは初めてのことだ。

国民投票のあとに選挙になれば、どのような憲法にすべきか主要テーマになる。各党が責任を持って提案することになるし、マスコミも現実的な責任が生じる。即ち、前文、安全保障、危機管理、国会や内閣のあり方、財政規律や地方自治、教育、権利と義務など広範な議論が展開されることを期待する。

現在の政党の枠組みでは、今後も推移することは無いだろう。

よって、政界再編の大儀として憲法改正がその役割を果たしていくべきだ。

その大きな契機が、この憲法96条改正原案である。

この歴史的役割を果たすために立法府に身を置く我々同志議員が決意を持って取り組む。

米国第三代大統領トーマス・ジェファーソンの言「人間の作品で完全なものは無い。だからこそ憲法改正という現実的手段が必要。」

インド初代首相ネルーの言「憲法を固定的なものにすれば、国家の成長や人々の成長も止めてしまう。」

この偉大な先人の見識を心に刻みながら実現にむけて取り組む。

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19_5_21.JPG「日本の息吹」平成19年6月号にてインタビューを受けましたので、発行元より許可を得て転載いたしました。
 新憲法制定促進委員会準備会座長 古屋圭司衆議院議員に聞く。
 国民投票法案の修正、超党派議連による新憲法の大綱の発表など、その中心的役割を担った古屋議員に聞いた。
●最悪の事態は回避できた国民投票法案
― 護憲派を利しかねない危険性のあった国民投票法案について、その最終修正を勝ち取られました。
古屋◆最低限の再修正ができたと認識しています。経緯を振り返ってみますと、憲法を改正するためには、憲法九十六条にある国民投票を規定する法律をつくらなければならない。衆議院の憲法調査会でも未だにその法律がないことは国会の不作為であるとの意見が大勢を占め、護憲派の人達からも反対はあまりなかった。

(さらに…)

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