古屋圭司通信

19_5_3.JPG 超党派議員、新憲法大綱案
 超党派の保守系国会議員有志による「新憲法制定促進委員会準備会」(座長・古屋圭司自民党衆院議員)は2日、現行憲法を全面改正する「新憲法大綱案」をまとめた。同会は近く委員会を発足させ条文化作業に入る。
 大綱案は憲法9条を改正し、侵略戦争を放棄し、「防衛軍」の保持と集団的自衛権の行使を容認した。武力攻撃やテロ、大規模災害の際に、首相に一時的に非常措置権を与える国家非常事態条項を盛り込んだ。
 「国家の主権、独立および名誉を護持し、国民の生命・自由・財産を保全することが国家の最重要の役割」とし、国の領域保全や資源環境の保護を促す国益条項の創設も打ち出した。
 天皇は、象徴天皇制を維持しつつ「元首」と明記。昨年の皇室典範改正問題の混乱を踏まえ、現行憲法で「世襲」(第2条)と定める皇位継承について、「皇統に属する男系男子」の要件を加えることを提唱した。
 憲法前文については「歴史や伝統的な価値観など国柄を明らかにするものでなければならない」と主張。国民主権の議会制民主主義▽基本的人権を尊重し、国民は権利や自由を公共に役立てる▽国の主権・独立・名誉の擁護と世界平和の希求―などを、国の基本原理とした。
 準備会のメンバーは自民党の萩生田光一、今津寛、民主党の松原仁、笠浩史、国民新党の亀井郁夫、無所属の平沼赳夫各氏ら25人。3日に都内で開かれる民間憲法臨調の公開憲法フォーラムで、大綱案を正式発表する。

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憲法記念日にあたり

カテゴリー:憲法改正, 議員活動

2007年05月02日

 憲法が施行されて60年を迎える本年の憲法記念日に、超党派議員25名で組織する日本会議国会議員懇談会の新憲法制定促進委員会は、「新憲法大綱」を発表する。
 私は、この新憲法制定促進委員会の座長を務め、昨年より同志議員や学識経験者と精力的な議論を重ねてきた。
 その議論の結果を今般「大綱」という形で世に問うこととした。
 国会においても、衆参両院の憲法調査会において5年の歳月を経て一昨年の4月にその提言をおこなった。その後、自民党においても、結党50年の際に、新憲法草案を発表した。しかし、衆参両院の憲法調査会はあくまでも、調査研究が主眼であったこと、また自民党新憲法草案も、その内容は私たちが掲げる理想の姿と乖離があることは否定できない。そこで、今回このような形で、「新憲法かくあるべし」と提案するものである。
 今国会において、現行憲法96条に規定する「国民投票法案」の成立が確実となっており、いよいよ憲法改正が政治日程にのってくる段階にきた。
 我々としても、今回の「新憲法大綱」をもとにしてさらに検討を重ね改めて、「新憲法試案」を発表したいと念じている。
参考:新憲法大綱

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 「国民投票法案」は、安倍総理が目指す憲法改正を政治日程にのせるという公約の第一段階であるといえる。憲法96条に規定されているように、衆参国会議員の三分の二の賛成と国民投票による過半数の賛成が改正の条件である。この国民投票法案がいよいよ大詰めに来ている。
 昨年からの経緯をたどってみると、自民党案→与党案→与党修正案と進むにつれて大幅に譲歩している結果、公正な国民投票が阻害され憲法改正阻止国民投票法案になりかねないと、我々同志議員は危機感を抱きその再修正を求めて働きかけを行なった。
 主な問題点を具体的に挙げると
・国家公務員法ならびに地方公務員法に規定されている公務員の政治活動
 の制限規定が適用除外となっていること。
・公務員の地位利用禁止について刑事罰が規定されていないこと。
・マスコミ規制が全くないこと。

などなど。他にも投票対象者の年齢や投票方法など自民党案から後退したものもあるが・・・・。
 この法案は議員立法として上程される予定であり、立法府に身を置く議員としてその内容には責任をもたなくてはいけない。しかるに、26日に開催された自民党の「国民投票等に関する特命委員会」にて、私を含め相次いで多くの議員から問題点の指摘をした。
 特に問題なのは、新聞等で指摘されている公務員の地位利用禁止規定よりも公務員の政治活動の制限規定が適用除外となっていること。これでは、自治労や日教組が組織的な反対運動を堂々と行なうことが予想される中、とても公正な国民投票が実施できる環境にならないことは明白である。猿払事件という有名な最高裁判決においても、公務員の政治活動を制限することは行政の中立性の確保、国民の信頼の維持の視点からも合憲としている。この判決にも反することになる。
 我々の活動が功を奏して、最終的には
・公務員の政治活動の制限の適用除外は削除。
・放送法に準じた規制。

が与党案にもられることとなった。
 ただし、与党協議にて、法案の付則にこの法律が施行される3年後までの間に、公務員の政治的制限について定める関連法案の規定につき検討するとの文言が加えられることになったため、今後もその議論の過程をしっかりと検証していく必要があると考えている。

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