<7月18日から20日まで台北に出張>
1972年の日中国交回復に伴い、台湾とはいわゆる正式な外交関係がありません。したがって、議員同士の「議員外交」が極めて重要です。議員外交の成果として、昨年の万博を契機に台湾からの観光客はビザなし交流を可能としたことです。これにより、年間350万人もの台湾からの観光客が日本を訪問しています。また、本年10月に竣工式を迎える台湾新幹線も、フランスのTGVを退けて、わが国の新幹線方式の採用に成功したことなどです。
2001年末、経済産業副大臣を務めていた私は、国交断絶以来30年ぶりに政府高官としての訪台を実現しました。それまで、大臣はおろか、省庁の幹部職員も台湾への訪問ができなかったのが実情でした。私の訪台実現の背景は、「私たち親子で交流のあった元台湾要人の葬儀に出席するため」という、いわば人道上の大儀を揚げて訪問したのです。その際、日本の政府側から私の訪台を控えるようにとの要請がありましたが、公用パスポートは使わない、現地で政府要人には会わないなどの条件で、事実上、経済産業副大臣の私は訪台を実現し葬儀に参列をしました。
以来、徐々に交流が進み、大臣の行き来や省庁の局長クラスも近々可能になる予定です。
何ゆえ、国交がないからといってここまで厳しい制限を強いられているのか。それは中国の意向が強く働いているからです。中国が主張する「一つの中国」からは、理不尽な話です。しかし台湾の実体は、中華民国として主権独立をした「国」であります。現在は25カ国と正式な国交関係を結んでいます。もちろん、日本とは経済的にも台湾と極めて緊密な関係にあることはご承知のとおりです。
このような複雑な関係にある日本と台湾との交流を強化させるために大きな役割を果たしているのが「日華議員懇談会」です。この懇談会は240名(2006年5月現在)を越える超党派の衆参両院議員で構成されており、私はこの「日華議員懇談会」の役員を務めております。今回の訪台は、その活動一環としてのものであり、その目的は、2008年の台湾総統選挙(大統領選挙)を視野に与党民進党、野党国民党で対立が先鋭化している実体を政府・与野党要人との会談を通じて把握するとともに、人的交流を強化しようというものです。
実質2日間で、黄外交部長(外務大臣)はじめ、李燈輝前総統、呂秀連副総統、馬英九国民党主席(台北市長)、林故宮博物院院長(台湾では閣僚となる)あるいは、台湾経済界の代表など、多くの関係者と有益な会談をすることができました。
以下、主だった会談の内容を記します。
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