古屋圭司通信

2014-06-23 12.45.21

アジアで初めての台北「国立故宮博物院」展覧会が、15年の準備の歳月を経て明日から開会される。

15年前私が台湾を訪問した際に、当時の李登輝総統から「展覧会を開催したいがそのためには、公海上で差押えなどの強制執行を停止させる日本の国内法が必要」と説明を受けたのが、私が日本展覧会開催実現にむけて取り組み始めたきっかけだ。

大戦後、蒋介石率いる国民党が中国本土から台湾へ移った際に、当時北京の故宮博物院に所蔵されていた80万点にも及ぶ作品を台湾に移動させたことにさかのぼる。

2014-06-23 11.39.54

東京国立博物館 銭谷館長、島谷副館長と

現在、台湾は「国」として中国が認めていないこともあり、作品が公海上に出た際に、中国による強制執行の可能性が否定できない。

そこで、強制執行ができなくなる国内法の整備に取り掛かったが、成立までに紆余曲折を経て一昨年の3月に「海外美術品公開促進法」が成立。私はこの法案成立に向けて熱心に取り組ませていただいた。詳細は過去のブログをご覧ください。

このような経緯もあり、今回の歴史的展覧会の開催は私にとってもこの上ない喜びだ。

今日は、明日の開会を前に、内覧会とオープニングセレモニーに出席。

2014-06-23 15.42.26

来日された馮明珠台北国立故宮博物院長と

目玉は、6月24日~9月15日までの東京国立博物館会場では「翠玉白菜」、10月7日~11月30日までの九州国立博物館会場では、「肉形石」。いずれも台湾では最も人気のある作品が出展される。

開催日直前に、メディアが作成したPR用看板等の名称が略されて「台北国立故宮博物院」ではなくて、「台北故宮博物院」と記されていたため、台湾側からの要請に基づき急遽看板等の差し替えを徹夜で敢行。何とか今日の開会式に間に合ったというハプニングも。

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